防錆塗装下地材アンダーフィックス

アンダーフィックスINDEXページへ

鋼構造物用高防錆型下地調整材

アンダーフィックスの耐久暴露試験：中間報告

アサヒボンド工業㈱は、(財)鉄道総合技術研究所と共同で開発した高防錆型下地調整材「アンダーフィックス（ＵＦ）」について、その耐久性確認のための暴露試験を平成16年11月より千葉県南房総市千倉町海岸沿いの試験所で実施してきました。暴露試験は開始以来4年を経過しましたが、その間に暴露試験で得られた知見のうち、主なものを中間報告いたします。

1.　耐久性確認：3年暴露試験

ＵＦは従来型防錆材に比べ優れた防錆効果があり、年を経過するごとにその差異は大きくなっている。また、ＵＦは防錆能が優れているだけでなく、3年暴露経過で剥離、膨れ等一切生じていないので、長期使用にも耐えることが証明されている。

	塗膜観察	塗膜剥離後

①ＵＦ使用

②従来型防錆材

暴露期間平成16年11月2日～19年11月2日

試験　No.	下地鋼板	下塗	中塗	上塗
①	千倉1年暴露	UF	シリコン樹脂	シリコン樹脂
②	千倉1年暴露	エポキシ樹脂（防錆用）	エポキシ樹脂	エポキシ樹脂

2.　全水系（下塗り：ＵＦ、中・上塗り：水系防水材）1年暴露試験

当初、ＵＦの開発は、下塗り：ＵＦ、中・上塗りは溶剤型塗料で開発が進められてきたが、当工業会のある会員より、中・上塗りには水系防水材を採用してはとの提案がされてきた。全水系と溶剤型（下塗り：ＵＦ、中・上塗り：溶剤型塗料）の比較暴露試験（1年）を行った。1年経過写真では、全水系は溶剤型に比べ、表面の錆状況には大きな差異は見られないが、塗料を剥ぎ取ってみると、カット部分の錆進行状況は溶剤型に比べ小さく、防水効果により錆の進行が抑えられている。

	塗膜観察	塗膜剥離後

①全水系

②溶剤系

試験　No.	下地鋼板	下塗	中塗	上塗
①	千倉6ヶ月暴露	UF	水系防水材	水系トップコート
②	千倉6ヶ月暴露	UF	エポキシ樹脂	ポリウレタン樹脂

3.　下地新鋼板（みがき鋼板）1年暴露試験

従来、ＵＦは塗替え用防錆材として開発されてきた。従って、暴露試験での供試体である下地鋼板は錆鋼板（新鋼板を千倉試験場にそのまま6ヶ月以上放置し錆びさせた後、手動工具でケレンしたもの）を使用してきた。ＵＦの新鋼板に対する防錆効果について、①従来型防錆材下塗り・溶剤型中上塗り　②ＵＦ下塗り・溶剤型中上塗り　③ＵＦ下塗り・水系防水材中上塗りでの1年比較暴露試験を行った。錆の進行状況は、① ＞＞ ② ＞ ③ となっており、③が1番の防錆効果を出している。ＵＦは、塗替え鋼板に効果ありとされていたが、新鋼板にも効果があることが分かった。

	塗膜観察	塗膜剥離後

①従来型防錆材　溶剤型中上塗り

②UF 　溶剤型中上塗り

③UF 　水型防水中上塗り

試験　No.	下地鋼板	下塗	中塗	上塗
①	みがき鋼板	エポキシ樹脂（防錆用）	エポキシ樹脂	ポリウレタン樹脂
②	みがき鋼板	UF	エポキシ樹脂	ポリウレタン樹脂
③	みがき鋼板	UF	水型防水材	水系トップコート

千倉試験場：1年間の紫外線照射量が御前崎に次いで日本で2番目に多く、また暖流と寒流がぶっつかり、塩水が多く飛散する場所に位置している。材料の暴露試験に適している。